げーむ の はなし を しよう

邦洋デジアナプラットフォームジャンル関係なくゲームが大好き過ぎるダメ人間が綴るブログ

『FFXV』発売から一周年……クリア直後のレビュー(の草稿)を発掘しました

こんにちは、あやさわ(@ayasawa_s)です。

先日11月29日に、『FINAL FANTASY XV』(以下、『FFXV』)が発売一周年を迎えました。

FINAL FANTASY XIII』の派生作品である『FINAL FANTASY Versus XIII』として発表されてから10年、シリーズファンの期待を一身に背負って世に送り出された本作は、結果的には賛否両論のある作品として現在は認知されているかと思います。

僕も実際にクリアまでプレイしたのですが、少なくとも、世間で言われるほど酷評されるようなゲームではないよな……というのが正直な感想です。

ただもちろん、手放しで褒められるようなものでもなかったのは確かで、エンディングを観終わった直後は、満足感とも残尿感(下品!)ともつかないような、何とも言えない気持ちになったものでした。

さて、昨日気まぐれにHDDのデータ整理をしていたところ、その『FFXV』についてレビューした記事の、草稿データを見つけました。

本来ならばきちんとしたテクストとして整形して出すべきものなのでしょうが、もう発売から一年が経っているというのもありますし、今回は敢えてその状態のまま、公開したいと思います。

というか、なんで途中で書くのやめたのだろう……。まあ多分面倒くさくなったんでしょうね!

ただ、この草稿は発売から二ヶ月程度経った段階で書かれたものですので、この一年間で繰り返されてきた、イベントなどを含めたアップデート、およびDLCの内容は全く考慮されていません。

アプデやDLCがリリースされた結果改善された面も相当数あるので、「いや そのりくつは おかしい」といったところがあっても、目をつぶっていただければ幸いです。


FINAL FANTASY XV』 レビュー (草稿)

良い点

  • ほぼ破綻なく創られたオープンワールド
  • 手軽かつスタイリッシュなバトル
  • 魅力的な仲間たちとの旅
  • 豊富すぎるアクティビティとサブクエス

悪い点

  • ぶつ切りすぎるストーリーテリング
  • 雑なバトルバランス
  • 見過ごせないクリティカルな不具合の存在
  • 唾棄すべきDLCの商法

+++良い点について+++

“ほぼ破綻なく創られたオープンワールド

  • 国産ゲームで、いよいよこの様な高いクオリティのゲームが登場した。このタイトルが発売されたことで、ついにJRPGは海外の大作レベルに追いついた

  • 美麗に創られた世界は、探索するだけでも楽しい。遠くに見える風景も概ね実際に行くことが出来、ゲーム世界のリアルな“奥行き”を感じられる

  • これだけの広さがあるにも関わらず、それぞれの要素が破綻することなくシームレスに接続されていることに驚き

  • 巷では種々のバグが面白おかしく取り上げられているが、そもそもこの規模・クオリティのゲームを、最初から“完全に”、“ミスなく”作ることはほぼ不可能

  • ゲーム開始時はともかく、ファストトラベル時や章移行時の長いロードは要改善か

“手軽かつスタイリッシュなバトル”

  • 使用するボタンは二個だけ。これだけでアクションゲーム顔負けの華麗なバトルを体験できる

  • アクション系が苦手な人向けのウェイトモードも搭載。ウェイト専用の強化アビリティもあるため、通常モードの戦闘を遊んだプレイヤーも新鮮に遊べる

  • 戦闘終了時の戦闘評価があるため、高評価を目指すやり込みプレイも可能

  • 使用できる武器種は少ないが、ファントムソードのバリエーションが多く、攻撃も多彩。思わず集めたくなる

“魅力的な仲間たちとの旅”

  • 頼れる兄貴分、冷静な参謀役、おちゃらけ系な親友とありがちなキャラクターたちではあるが、故に何処か安心感を感じさせる

  • 仲間と交わされる豊富なダイアログは、プレイ時間に比例して設定上だけではない「絆」をプレイヤーと彼らとの間に作る

  • ふとした出来事のやりとりが、仲間をよりリアルな存在に感じさせる

  • 装備やアビリティを強化していけば、戦闘でも頼りになる。アンプレイアブルではあるが、決してお荷物にはなっていない

“豊富すぎるアクティビティとサブクエスト”

  • ダンジョン探索、モブハント、料理レシピとその素材集め、車の改造、釣り、チョコボレース……挙げればキリがないほど豊富なアクティビティはゲーム全体のボリューム向上に貢献している

  • 特に料理のグラフィックやテクスチャの作り込みには感嘆させられる。まさに飯テロレベル

  • サブクエストは概ね“お使い”であり目新しさはないが、条件はそこまで厳しくないものが多い。報酬のために消化するのもそこまで苦労しない

  • ただし、採集系のクエストはあまりの不親切さに閉口してしまう


---悪い点について---

“ぶつ切りすぎるストーリーテリング

  • 『FF』シリーズの最大の魅力である物語だが、粗があまりにも目立つ。シーンやシチュエーションの転換があまりにも唐突すぎ、それを補完する為の描写も少ない。プレイヤーがストーリーに置いていかれがち

  • 脈絡なく入退場するキャラクターたち。中途の過程があまりにもあっさりし過ぎていて(あるいはなんのフォローもなく)拍子抜けする

  • 亡国の王子が従者とともに敵討ちの旅に出る、というわかりやすい王道展開から、いきなり世界の存亡へ飛躍する唐突感

  • 個々の描写は光るものがあるだけに非常にもったいない。アップデートでの対応に期待したい

“雑なバトルバランス”

  • 魔法は強力ではあるが、回数制である点が不満。着弾点にいる仲間を巻き込んでしまうのも非常にストレス

  • 魔法のバリエーションも少ない。アイテムでの手段が多いとはいえ、シリーズお馴染みの補助魔法、回復魔法の種類が異常に少ないのは疑問

  • アクションよりの調整が行われているのに、自分の思い通りに操作できないと感じる時も多い。例えば、攻撃中に回避への移行のタイミングが限られているので、見えている大ぶりの攻撃を意図せず貰ってしまうこともしばしば

  • 召喚獣(六神)は非常に強大な力で敵を圧倒するが、召喚条件がそれぞれに異なる上に任意呼び出し不可。クリア直前まで全ての召喚獣が入手できないのも不満。せめて召喚する対象だけでも選ばせてくれれば

“見過ごせないクリティカルな不具合の存在”

  • バグなきゲームなど当然存在しないし、上述の通りオープンワールド系のタイトルではそれが顕著。ある程度の不具合は許容されるべきだが、それでも見過ごせないものがある

  • 特にゲームの進行が不可能になり、ゲーム自体のリセット、ハードの再起動が必要になるような致命的なバグが相当数存在している

  • “E3”という世界的なイベントで大々的に発表した発売日を約二ヶ月延期したあげく、10GBに迫るゼロデイパッチを当てておいてこの体たらく。「オフラインのプレイヤーも安心して遊べるように」という田畑端ディレクターの発言は一体なんだったのか

  • 国産のタイトルということもあり、もう少しどうにかならなかったのかという印象

“唾棄すべきDLCの商法”

  • ストーリーを追うとわかるが、明らかに本編で語られうるべきシークエンスが意図的に歯抜けにされている。その部分をDLCとして販売するというやり方には、正直失望を禁じ得ない

  • DLCはあくまでも完成した製品を補完・強化するものとして世に送り出されるべき。今回の様な商法は過去散々消費者から叩かれてきた旧態依然のやり方で、『FF』の革新的な最新作に相応しくない

  • 詳細は現段階では不明であるものの、各キャラクターの深い掘り下げや本編にはない新しいプレイアビリティがない限り、購入するべきではない

  • マルチプレイDLCも、本作のゲーム性を考えるとそこまで魅力的には見えない


+++総評---

  • FFXIII』に連なる『FF Versus XIII』としての発表から数えてほぼ10年という時間を経て完成した本作品は、今までとは異なる新しい『FF』像を提供したのと同時に、日本を代表するデベロッパー・パブリッシャーであるスクウェア・エニックスが、初めて真の意味で世界に通用するRPGを送り出したという意味でも非常にエポックなタイトルである

  • しかし、ゲーム全体の完成度はそれなりに高いものの、過去の『FF』シリーズにおけるセールスポイントであったストーリーやゲームシステムなどに細かい作り込み不足が見える

  • 濃密な前半部分に対して駆け足感が否めない後半は特に顕著。自由度が一気に狭まり、ゲーム自体が尻すぼみになっていってしまっている(スクウェアのタイトルでそんな感じの奴が以前にもあった気が……)

  • 結果として佳作以上の作品にはなっていると思うが、発売前の期待値と比較すると物足りない面があるのはどうしても否めない。次回作以降に期待したい


以上。いかがでしたでしょうか。また、皆さんのプレイ後の評価と比べてみてどうでしたでしょうか?

ゲームのチューンナップも兼ねた、本格的なアプデが行われる前に書かれた文章なので、現状とあっていない部分もだいぶ多いかと思います。

ただ、DLC関係への意見は現在でも変わっていません。もちろん発売までのスケジュールや開発リソースの割り振りなど、様々な都合・事情があるであろうことは察しますし理解もしていますが、そうだとしても、物語性を強く推してきた『FF』シリーズにおいて、このような形が取られることについては残念、という気持ちが今でも強いです。

とはいえ『FFXV』が、現在巷間で言われているような単なる“クソゲー”、あるいは“駄ゲー”ではない、ということについては強く申し上げておきたいです。目を覆いたくなるような部分も確かにありますが、それでも「遊んでよかったな」と思えるようなタイトル、それが『FFXV』なのです。

……といったところで、今回はここまで。それではまた!