『FFXV ロイヤルエディション』発売決定。素晴らしい追加要素だとは思うけれど……
こんばんは、あやさわ(@ayasawa_s)です。
本日(1月16日)、『ファイナルファンタジーXV 』の新規DLC“ロイヤルパック”が3月6日に発売されることがTwitter上で発表されました。
また、これに合わせて本編・既存DLCと“ロイヤルパック”とのオールインワンセット『ファイナルファンタジーXV ロイヤルエディション』がPS4向けに、それと同内容に加え、ネイティブ4K・HDR10の高解像度高画質にも対応する『ファイナルファンタジーXV Windows Edition』がWindows PC向けに、それぞれ同日に発売されます。
様々な新規要素を追加したロイヤルエディション、そして Windows エディションの情報を公開しました。トレイラーは色々と衝撃的な内容になってます。 pic.twitter.com/8ReK1no2lz
— FINAL FANTASY XV (@FFXVJP) 2018年1月16日
遊びごたえの有りそうな“ロイヤルパック”
“ロイヤルパック”によって追加される主な内容は以下のとおり:
・“王都インソムニア”に新規マップ・新規要素
本編14章で訪れる事実上のラストダンジョン“王都インソムニア”に新規マップが追加されます。詳細はまだ不明ですが、公式サイトのスクリーンショットなどを見る限り、本編ではあまり探索できなかった市街地エリアが拡張されているように見受けられます。
合わせて、複数のサブクエストと新規エネミーも登場。『FF』シリーズではおなじみの強敵“オメガ”や、『KINGSGLAIVE ファイナルファンタジーXV』序盤に登場していた“ケルベロス”、さらに歴代のルシス王とのバトルが楽しめるとのこと。
・“ファントムソード”を更に強化する“真・ファントムソード”
歴代ルシス王の携えていた武器“ファントムソード”を強化するアクセサリが追加されます。
これを用いると、“ファントムソード”を召喚中に更に強力な攻撃を繰り出せる“真・ファントムソード”が使用できるようになるとのこと。ちなみにこのアクセサリは全ての“ファントムソード”を収集後に、ワールドマップの何処かで入手できるそうです。
・“水都オルティシエ”へ向かうためのクルーザーが自由操作可能に
本編8章終盤で、海を挟んだ“水都オルティシエ”へ向かうためにクルーザーに搭乗するのを皆さん覚えておいででしょうか。あのクルーザー、自動走行で“オルティシエ”に向かうのですが、あれだけの広大な海原を自由に航海できないのか……と残念に思った方もいらっしゃるかもしれません。
今回の“ロイヤルパック”では、そのクルーザーがついに操作可能になります。海上の一部を自由に移動可能となる他、新たな釣り場(海ですから!)と魚、そして料理のレシピも追加されます。
・主観視点“ファーストパーソンモード”
ノクトの一人称視点でプレイ可能な“ファーストパーソンモード”が追加されます。
公式サイトでは「よりゲームの世界へ没入することができるようになった」とありますが、正直主観でバトルしたら、シフト中に酔ってしまいそうです……。ただ、あのきれいなマップを主観で眺めることが出来るというのも、それはそれで面白そうではありますね。
『FFXV』本編での不満として槍玉に挙げられやすい「世界観や設定の説明不足」。これを補完するためのアーカイブがゲーム上で収集できるようになります。
アーカイブは“伝承”という形で世界中に散らばっており、これらを集めることで『FFXV』世界の新たな情報が入手できるそうです。個人的にはこれが一番嬉しい追加要素ですね。
・“レガリア”をオフロードバギー風味にできる“レガリア TYPE-D”の入手クエスト
ノクトたちの愛車“レガリア”を、ゴリゴリのオフロード車仕様“TYPE-D”に改造できるクエストが追加されます。トレーラー映像中でその姿がちらっとお目見えしているしているのですが、かなりゴツい車体が印象的です。なんか山とかそのまま登れそうな雰囲気。
この他、新規トロフィーの追加も合わせて行われるとのこと。
悪い、(今から遊び直すのは)やっぱ辛えわ
発売から一年以上を経て、各種の無料アップデートやDLCによって、確実にプレイアビリティを向上させてきた『FFXV』。
発売当初からのやや惨憺たる状態から考えれば、かなり洗練された作品に仕上がってきたのではないかと思います。今回の“ロイヤルパック”が、その集大成の一つとなることは確実でしょう。
しかし……しかし、それでも、敢えてこの場で言わせてもらいたいことがあります。それは、
「例えあと1年か2年待ったとしても、これらの改善が最初から全て詰まった状態で遊びたかった」
ということ。
そして同時に、今からもう一度『FFXV』というゲームを遊ぶということには、やや否定的にならざるを得ません。
シングルプレイヤーRPGというジャンルはその特性上、そのタイトルを遊んだ際に抱くプレイヤーの印象や感想は、一番最初に触れたときのそれが最も重要視されるべきだ、というのが僕なりの持論です。
何故ならば、シングルプレイヤーRPGは基本リプレイ性が低いためです。
これがマルチプレイヤーモード主体のタイトルであれば違ってくるでしょう。そのようなゲームは繰り返し遊ぶことが前提であり、頻繁に行われるゲーム性の改善や追加要素も、ある種そのタイトルの魅力として見られる部分もあるからです。
しかしRPGとは――特にJRPGというジャンルにおいては、語弊・誤解を恐れずに言えば、映画と同質の娯楽であると僕は考えます。魅力的な物語やシーン、シチュエーションを不足なく楽しむということが、一義的には大切なのです。ファーストインプレッションが非常に重要だというのはそのためです。
一度観た映画が、もしとてもつまらなかったとしたら、それをもう一度観ようという気持ちにはなれないはずです。
そういう意味では、『FFXV』は失敗作と断じてしまうこともできると僕は考えています。
歯抜けと説明不足が目立つシナリオやキャラクターの背景。痒いところに手が届かないゲーム性。数々のバグ。
プレイヤーたちがこれらを目前にして、「期待を裏切られた」と感じたとしても、何の不思議もないと思うのです。実際、僕も少なからずそれに近い気持ちを抱いたのは否めません。
もちろん、マイナス面を挽回しようとし、それをやってのけたスタッフ陣の努力は認めますし、認められるべきです。ただそれでも、なぜ最初からそれができなかったのか、という歯痒い思いはどうしても残ります。
……もうぶっちゃけて言いますけれど、元のゲームがそんな状態で、(意地悪な言い方をすれば)後付けで「ここがこんな風に良くなりました!」と言われても、正直「はぁ、そうっすか」といった感じなのです。ちょっと厳しすぎる見方かもしれませんが……。
ただまあ、追加要素込みでもう一度『FFXV』に触れる気になれない理由は、それだけではないです。
それは、僕の中で『FFXV』という物語がきれいに完結してしまっているからです。
“水都オルティシエ”に向かったのちから、ゲームは急速に先細りし、狭隘な領域に突き進んでいってしまいますが……それでも僕は、『FFXV』というゲーム、その物語の幕引きについては概ね満足しています。正直、かなり残酷な結末と言えるでしょうけど。
その結末が映えるのは、偏に前半パートの濃密な時間があってこそでした。
確か、僕が『FFXV』をクリアしたときのプレイ時間が50時間くらいだったかと思うのですが、そのうちの8割5分くらいは、リード~ダスカ~クレイン地方を駆けずり回っていたときのものです。
ノクトというキャラクターを通して、僕はイグニス、グラディオ、プロンプトと様々な“旅”を重ねました。
モブハントで絡んだターゲットのモンスターが思いの外強くてほうほうの体で逃げ出したり、探せと言われた採集アイテムの最後の一個が見つからなくてイライラしてみたり。
集めた食材で飯を作ってそれをキャンプで囲んでみたり、お気に入りの『FF』戦闘曲をカーステでかけながら海岸近くの道を車で流してみたり、あるいはチョコボにまたがって、4人で広大な草原を風を切って走ってみたり……。
そういった、4人で築いてきたアクティビティやイベントの積み重ね――有り体に言うなら、“思い出”や“絆”があって、そしてあの結末があるのです。
よくネタにされる「やっぱ辛えわ」のくだりも、僕としては正直かなりグッと来てしまったんですよね。感動というよりは、あまりにも悲しすぎるから、という理由ですけれど……。
今の『FFXV』を評価するにあたって、きちんとそれに向き合うならば、やはり最初から遊ぶのが筋というものでしょうが、あれをもう一度繰り返すことになると思うと……それこそ「やっぱ辛えわ」となってしまいます。これはまあ、完全にわがままなんですけどね。
未体験の人はこの機会に手にとってみて
ただ改めて言っておきますが、以前公開した『FFXV』のレビュー草稿を投稿したときと同様、僕は決して『FFXV』が駄目なゲーム、あるいはクソゲーだと主張したいわけではありません。
毀誉褒貶・賛否両論、いろいろ言われるタイトルではありますが、昨今の日本製RPGとしてはかなりの完成度を誇る作品だと言えるでしょう。
もちろん独特の癖はありますが、それでもこのゲームに触れないのは、いちゲーマーとしては損していると言わざるを得ません。シーズンパスや“ロイヤルパック”個別の価格を考えれば『FFXV ロイヤルエディション』は結構お得なパッケージですし、この機会にぜひ『FFXV』に触れてみていただきたいと思います。
……何だか書き始めたときを考えるとやたら長い記事になってしまいましたが、それではまた!